ロンドンに10年住むスペイン人映画監督マリア・マルティネス・バヨナが、カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア」部門にて、初長編作品『The End Of It』でデビューを果たした。レベッカ・ホールとヌーリ・ラペースが主演を務める本作は、SF要素と死の願望や人間の死生観を融合させている。監督はこのプロジェクトを数々の障害を乗り越えて実現した奇跡と語る。
人間の脆さに根ざしたSF 🎬
本作は、登場人物たちが未来を舞台に、感情的・肉体的限界に立ち向かう姿を描く。マルティネス・バヨナは、本作の技術的発展は複雑なプロセスであり、視覚効果とCGIに頼りすぎないプロダクションデザインを組み合わせたと述べている。撮影はイギリスとスペインのロケ地で、少数精鋭のチームにより、デジタルな仕掛けよりも演技を重視して行われた。監督は、テクノロジーの進歩と人間の脆弱性の間の緊張感に物語が支えられており、安易な教訓に陥っていないことを強調する。
正気を保って映画を作るという奇跡 🎥
マルティネス・バヨナによれば、『The End Of It』がカンヌに辿り着けたのは奇跡だが、それは聖人のそれではなく、制作危機の真っ只中で実存的なSFプロジェクトの資金を調達できた者の奇跡だ。監督は、ロボットが出てくるロマンティックコメディのような、もっと商業的な脚本に変更しようと考えたことも一度や二度ではなかったと告白する。結局、彼女は死について語り続ける道を選んだ。なぜなら、正直なところ、インディペンデント映画の世界では、ケータリング代が支払われること自体が十分に奇跡的なのだから。